地元では見たことのない積雪に驚いた。2年前、初めての彦根での冬。朝起きて外を眺めたときの景色は衝撃的だった。私にとって雪国のイメージは北海道・東北・甲信越。彦根でこれだけの雪が積もるのは「謎」だったのだ。ここ数年の疑問を小欄の執筆を機に調べてみることにした。
彦根は内陸盆地にありながら、京都や岐阜に比べて降雪量が多い。福井との県境にある「野坂山地が1000m以下と低いため、日本海で発達した雪雲が北西の季節風によって、若狭湾を通り滋賀県、特に湖北や湖東に流れ込むため」という。また伊勢湾に近いこともあり、太平洋岸沿いに低気圧が東進する影響も受けやすい面もあるそうだ。「彦根市の自然」の鳥類・気候編(彦根市役所生活環境課著)にあった。
1984年2月6日から7日にかけての大雪では、積雪が51㌢にもなった。「市内は深い雪に覆われ、道路はアイスバーン状になり、路線バスは運休した。国鉄米原駅構内の豪雪のため列車の回送運転ができなくなり、彦根駅で折り返し運転を余儀なくされた」。その後も寒い日が続いたため、彦根城のお堀は凍り、その上に降った雪が「波模様を描いているのがみられた」という。…読んでいるだけで凍えてきそう。
今年は一昨年、昨年と比べて積雪の少なさを感じている。私は就職について悩む日々を送る大学3年生。将来どこに住むかは分からないけれど、彦根を離れることはほぼ確実だ。街やテレビで雪を見たときには彦根での学生生活が思い起こされるだろう。そうなるのは、きっと私だけではないはずだ。
(冊子版vol.1 2019.3.1)
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